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ニュースリリース

2013年7月22日

ユーザー紹介

負担軽減・ブランド確立で生産者を守り、産地を守る

— JAなすの サテライト施設 —

 7月19日、竣工式を迎えたJAなすの サテライト施設。籾摺調製を専門に受け持つ調製品質管理センターと、籾乾燥を専門に受け持つ乾燥施設との連携は、全国でも初めての例だ。農家の負担軽減と、産地ブランドの確立をかけて建設された同施設を、今後どのように活かし、生産者・産地を守っていくのか。同JAの取り組みを取材した。

富池調製品質管理センター

 JAなすの(栃木県那須塩原市黒磯6-1、代表理事組合長:川嶋寛)は、栃木県北部に位置する大田原市、那須町、那須塩原市の2市1町からなっている。総面積は1,319平方キロ、内耕地面積は261平方キロと、ともに県全体の約20%を占めている。東・西・北の高原地帯は観光地として有名。そこから流下する那珂川水系の河川が那須扇状地を形成しており、豊富な水資源を有する地帯となっている。

 この広大な土地を活かし、稲作、園芸、畜産が盛んに行われており、水稲は約65万俵を集荷している。園芸では、首都圏へのアクセスが良いため、ネギ、ウド、アスパラガスなどさまざまな作物が生産されている。また畜産では「とちぎ和牛」の主産地であり、酪農においては、那須塩原市が本州市町村別で生乳生産量1位を誇る。このような立地であることから、耕畜連携による良質な堆肥の供給が水田の土づくりに活かされ、また寒暖の差が大きいことが良食味米を育む環境要因となっている。

富池ライスセンター

 このJAなすの管内に、このたびサテライト方式の乾燥調製施設が完成した。今回新設されたのは富池調製品質管理センターと富池ライスセンター、湯津上ライスセンター(以下RC)の3施設。籾摺以降の工程に特化した調製品質管理センターを中核として、既存の5施設を含む7つの乾燥施設と連携をする、全国でも類を見ない施設だ(サテライト施設フロー図を参照)。各乾燥施設では農家から荷受した生籾の乾燥までを行い、籾摺以降の工程は全て調製品質管理センターで行う。乾燥までと籾摺以降が完全に分離されているのだ。

営農部・高根沢俊一部長

 サテライト方式の乾燥調製施設を造るという構想自体は、6つのJAが合併しJAなすのが設立された平成8年ごろからあったのだが、なかなか予算のめどが立たず、同JAとしては時期を見計らっていた。平成23年度の事業としてようやく予算確保の見通しが立ち、建設計画がスタートした。

 施設建設の目的は2つ。1つは、深刻な担い手不足に対し、その労働力を補完すること。跡継ぎのいない農家に代わって、担い手農家が規模を拡げて耕作をする。その場合に農家の負担となるのが、収穫後の乾燥調製だ。この乾燥調製作業の進み具合が、収穫作業のスケジュールにも影響を与える。また設備投資の面でも、農家の負担感は大きい。同施設建設にあたっては「収穫以降の作業をJAとして全て受け持つことで、農家の負担を減らしたいという思いがまずあった」と、営農部・高根沢俊一部長は話す。

3台連座する10インチ籾摺調製装置

 もう1つはJAの集荷力を高め、均質な米を安定して供給することで、実需者におけるブランド力を高めることである。これまでも一等米比率94.7%という高品質であることや、良食味であることが高い評価を受けてきたが、さらに生産履歴の記録や農薬使用を11成分以下に抑えるなどを条件とした、独自の「新安心基準米」の生産拡大に努めている。全国に先駆けて連続式種子温湯消毒設備の導入に踏み切ったのも、その一環である。また独自ブランド米「なすそだち」の育成にも積極的に取り組んでいる。そういったブランドの確立とともに、品質の安定した米をまとまった量確保することで、実需者の要望に応える産地として認知度を高めたいという思いがある。出荷形態についてもコスト低減のため、従来の個袋包装の廃止とバラ出荷の拡大を着地目標としている。

湯津上ライスセンター

 これらの目的・目標を果たすため、乾燥施設は既存の5施設に加えて新たに湯津上RC、富池RCの2施設を建設した。これは収穫作業を行う農家の負担軽減のためである。地域ごとに乾燥設備を持つことで、遠方の施設まで籾を運搬する必要がない。また、ビール麦の栽培も行っていることから、富池RCには麦専用の乾燥設備が備えられている。

 各乾燥施設で乾燥された籾は出荷計量機で計量された後、富池調製品質管理センターに搬入され、籾摺調製作業が行われる。同センターには10インチ籾摺機が3セット設置されており、非常に高い能率で籾摺される。籾摺調製工程が1か所に集約されたことで、維持管理コストの低減にもつながる。また荷受検査については、サンプル籾の乾燥までを各乾燥施設で行う。荷受データとともに輸送されたサンプル籾は、富池調製品質管理センターの自主検定装置にて一括して検査されるため、事務処理は一元化される。

川嶋寛 代表理事組合長

 富池調製品質管理センターで籾摺・精選された玄米は直接出荷されるほか、同じ敷地内の大型低温倉庫(収容能力約12,000トン)で一時保管されるが、一連の工程の中で各地域から集荷された米は均一にブレンドされ、また全量が光選別機ピカ選GRANDで選別されるため、高品質の米を安定して供給することができる。出荷形態はバラ出荷とフレコンに対応しているが、輸送コスト軽減のためバラ出荷を拡大していく方針だ。

 施設の完成を見て、川嶋寛 代表理事組合長は「一番の関心事は後継者問題。生産者を守るための環境づくりに、JAが主導して取り組んでいく」と、その思いを語った。産地を守ると言ってもそれは、一人ひとりの生産者の農業を支えることに他ならない。関東随一の米生産地として、首都圏はもとより日本の主食を支えていくという固い信念が、その言葉に込められていた。

以上

JAなすの サテライト施設 フロー図

参考

JAなすの サテライト施設概要

事業名  :東日本大震災農業生産対策事業
事業年度 :平成23年度
事業主体 :那須野農業協同組合
施設名  :JAなすの サテライト施設
所在地  :栃木県大田原市富池字橋本前2491
(富池調製品質管理センター・富池乾燥施設)
      栃木県大田原市佐良土570-1(湯津上乾燥施設)
施工管理 :全国農業協同組合連合会 栃木県本部
施工   :プラント工事 株式会社 サタケ
      建築工事 松本建設株式会社(富池調製品質管理センター・富池乾燥施設)
      建築工事 東鉄工業株式会社(湯津上乾燥施設)
工期   :着工 平成24年10月5日、完成・引渡 平成25年6月27日
      (富池調製品質管理センター・富池乾燥施設)
      着工 平成24年10月5日、完成・引渡 平成25年3月29日
      (湯津上乾燥施設)
対象規模及び作物:富池調製品質管理センター(処理能力乾籾8,031t乾麦3,800t)
         富池乾燥施設(水稲対象面積280ha/乾籾1,866t、麦面積100ha/乾麦336t)
         湯津上乾燥施設(水稲対象面積140ha/乾籾920t)
(※その他既存乾燥施設:大田原CE、金丸CE、川西RC)
延べ床面積 :富池調製品質管理センター(1,394.52㎡)
富池乾燥施設(806.92㎡) 湯津上乾燥施設(251.66㎡)
付属延床面積:富池調製品質管理センター・富池乾燥施設(561.36㎡)
湯津上乾燥施設(81.36㎡)
最高高さ  :富池調製品質管理センター・富池乾燥施設(24.41m)
湯津上乾燥施設(23.45m)
敷地面積  :富池調製品質管理センター・富池乾燥施設(28,389.30㎡)
湯津上乾燥施設(5,440.22㎡)
最大荷受量 :富池調製品質管理センター(乾籾97t/日・乾麦148t/日)
富池乾燥施設(乾籾95t/日・乾麦51t/日) 湯津上乾燥施設(55t/日)
総事業費  :16億1,888万円(補助対象額15億3,388万円、補助対象外8,500万円)
〈内訳〉富池調製品質管理センター・富池乾燥施設13億3,254万円
(補助対象内12億5,546万円、補助対象外7,700万円)
湯津上乾燥施設2億8,633万円
(補助対象内2億7,841万円、補助対象外792万円)

(本件へのお問い合わせ: TEL 082-420-8501 広報室)

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