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技術本部副本部長インタビュー(2)

2022.09.06

No.22-027 / 2022年9月06日

技術本部副本部長インタビュー(2)

― とぎ汁(洗米副生水)の有効利用とSDGsについて語る ―

 サタケ(本社:広島県東広島市西条西本町2-30、代表取締役社長:松本和久)は、4月25日に新型無洗米製造装置「MPRP36A」を発売しましたが、とぎ汁(洗米副生水)の液体飼料への利用やSDGsについて、水野英則技術本部副本部長に聞きました。

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水野英則 技術本部副本部長

― とぎ汁を液体飼料に利用する経緯、意図は?
 従来機であるSJR(スーパージフライス)は、とぎ汁を乾燥固形化し、とぎ汁の出ないNTWP(ネオテイスティ・ホワイトプロセス)は、糠をそのままの状態で家畜の配合飼料素材として利用していましたが、安価で安定的に生産供給することが難しく利用推進には至りませんでした。2010年に農林水産省がエコフィード(食品残さ利用飼料)推進を発表し、リキッドフィーディング技術も明記されたことから利用研究を開始しました。

― 液体飼料の利点は?
 液体飼料に限らず、とぎ汁を飼料として利用することで、食品リサイクルや循環型農業の取組みの一助となります。そのうえで、液体飼料は乾燥飼料などに比べ加工処理やエネルギーのコストが低く、安価に供給できます。MPRPの導入先にとっても、とぎ汁の処理装置や灯油などの化石燃料が不要で、無洗米製造コストが下がる利点があります。

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MPRP36A

― 液体飼料は何に利用しているか?
 具体的には、豚の飼料として使っています。開発段階での試験でも液体飼料に対する豚の食いつきも良く、1頭当たり1日に約3㎏与えます。

― 液体飼料化に際しMPRP導入先の行うことは何か?
 MPRPの導入先は、とぎ汁を養豚場に供給することで基本的に処理が完了しますので、余分な手間や経費が少ないメリットがあります。養豚場は引き取ったとぎ汁を熱処理し、乳酸発酵させて液体飼料にし、数日内に豚に与えます。

― 養豚場にとって液体飼料のメリットは何か?
 輸入飼料が高騰しており、食品残さを無駄にしないという観点からもエコフィードの利用が高まっています。また同じエコフィードであっても、配合飼料より液体飼料の方が製造コストが低く抑えられることから、今後、需要の伸びが見込まれます。

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液体飼料による給餌

― MPRPのSDGsに対する取り組みは?
 地球環境の保全や地球温暖化への対応は、今やさまざまな分野で必要不可欠であり、製品の開発・製造段階からユーザーの利用まで広範に考慮する必要があります。MPRPはSDGsの考え方をできるだけ取り入れた開発を行い、環境保全などに貢献していると考えています。

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【水野英則(みずのひでのり)プロフィール】

1985年株式会社佐竹製作所(現サタケ)に入社。技術部生産技術課、プラント機械課、精米プラントグループ、技術企画室などを経て、現在常務執行役員技術本部副本部長。

以上

(本リリースへのお問い合わせ: TEL 082-420-8501 広報部)
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